【コロナ禍】99.9%PCR検査の限界・本当に怖い偽陽性。失業に備える対策3選(まゆつば程度の読み物としてお取りください。)
1.擬陽性の恐怖
それまでは普通の日常だった
「なんか高そうなワインね」
「そうでもないよ。安くなってたし」
俺は健一(仮名)25歳・業界では中堅の広告代理店に勤めている。同期の中では出世頭で、最速で課長にまで上がったと社内報で取り上げられたりしている。今度、一部上場企業の広告を手掛けることになったが、最近のコロナ騒ぎで進行が止まっていた。
彼女は智子(仮名)25歳。彼女の地元の栃木でスタートアップ企業のWEBデザイナーをしている。地域活性化を謳った会社だ。彼女とは大学で知り合い、二年の時から交際をしていた。
「自粛、自粛でいやになっちゃうわね」
「そうだな。こっちもいろいろうるさくて、2日前にスーパーに買い物に行ったけど物凄く人は減っているな」
俺たちは二人はオンライン飲み会をしていた。二人なので「飲み会」とは言えないかもしれない。こっちは東京。あっちは栃木。就職の関係で遠距離恋愛になっていた。
会いに行きたい気持ちは大きいが、県をまたいでの遠出は会社からも自粛を通達されているし、現状自宅待機に近い状態になっている中で、ふらふらと出歩くのは社内での評価を下げかねないことから自粛していた。
「騒動が落ち着いたら旅行でも行きたいな。智子は前からUSJに行きたいって言っていたからな」
「そ、そうね。早く終わってくれるといいわよね」
その後、お互いの近況を報告をした。報告と言っても、家でどんな映画を見たとか、料理を作ってるとか、少し仕事の話とか。2時間ほど話してから、智子がお風呂に入るというので通信を切った。
なんとなしに寝付けなかった俺は、明日・明後日は出社もテレワークも無いことから深夜遅くまで動画を観ながらワインを飲んでいた。
新型コロナウイルスで陽性反応
「う・・・ああ・・・・」
どうも起きた時から体が重い、少し熱っぽいようでもある。昨日、飲みすぎたせいだろう。蛇口を捻って、水を一杯飲む。
その日は休みという事もあり、会社の資料に目を通した。夕方から、智子が面白いと言っていた映画を観て感想なんかをラインで送った。
そして、次の日。
本格的に熱が出て来た。体温を測ると37度まで上がっている。もともと平熱が低い方なので、これくらいの熱でもとんでもなく辛く感じる。呼吸もしづらくなっていた。
俺は保険証をサイフに入れ、タクシーを呼び、医者に行くことにした。
かかりつけと言うわけでは無いが、何かあると行っている病院に向かった。
病院なんていつでも年配の人でごった返しているかと思ったが、人もまばらで混雑は見られなかった。
検温を受けると、問診票に自分で記入して、自分が呼ばれるのを待った。
「熱はあるようだね。咳が出て、呼吸も苦しい・・・と」
「はい」
「熱はいつから?」
「昨日からです。普段はかってないですけど、体のだるさは昨日からあります」
「はい、じゃあ上着あげて」
医師の男性は、聴診器をあてる。俺は指示されるままに息を吸ったり、吐いたりした。
「・・・一応、レントゲンとっておこうか」
「はい・・・」
どうやら呼吸したときに気になる音があったらしい。俺はレントゲン室に回された。
そして、診察室に戻った。
「タバコは吸うんだったね」
「ええ・・・はい」
「出来ればやめた方がいいね。少しづつ減らして」
「はい。すみません」
「で、ここなんだけど」
医師が見せたレントゲンの写真。見慣れていない物を見ても何が何やらわからない。
「ここに怪しい影があるのわかる?はっきりとは出ていないけど肺炎の初期症状かも知れないね」
「肺炎ですか?」
悪い予感がよぎる。俺は新型コロナウイルスに感染してしまったのではないか。もしそうだとしたらこれから40度近い熱が出て、インフルエンザの何倍も苦しい目にあうんじゃないか。会社の人間にうつしたらそれこそ大問題になるんじゃないか。よくわからない恐怖に怯えるより、事実をはっきりさせたい。
そんな事を考えて、言ってしまった。
「PCR検査は受けられますか?」
そこの病院ではPCR検査が受けられないということで、1時間ほど待たされた後、別の病院に行くように手続きをしてくれた。
俺はタクシーに乗り、紹介された大学病院へと向かった。そこで呼吸器内科に回され、テレビで聞く「鼻に綿棒を突っ込む」という検査を行った。
頭痛と咳がひどく、頭が朦朧としていたが、検査をあまり受けられないという話を聞いていたので、そこはツイているなとか考えていた。
軽症であるということ、検査結果は早くても3日はかかるというので、その日は解熱剤をもらって家に帰った。
俺は家に帰ると解熱剤を飲んですぐにベッドに入った。
次の日も高熱が続き、会社には病欠の連絡を入れた。
テレビでは連日コロナウイルスの話題で持ちきりだ。
熱は38度まで上がっていた。いまでも十分苦しいのに、これ以上あがったらどうなってしまうのだろう。
智子からは俺を気遣うようなラインが来ていた。
次の日も熱は続いた。
その次の日、熱が出てから3日目。熱がグッと落ちていた。汗でびっしょりのシャツを脱いで、俺はシャワーを浴びた。
俺は上司に電話をかけた。
「すみません。熱が下がりました。多分コロナじゃなかったんですよ」
「ああ、そうか。それは良かった。で、検査の方はどうだったんだ?」
「それが、早くて三日ってことだったんで、今日明日くらいになるんじゃないかと」
「そうか」
「明日からは出社出来ると思います」
「いやいや、大事をとって検査の結果が出てからにしたらどうだ?有給も残っていただろう?」
「ああ、はい。そうですね」
「じゃあ、ゆっくり休んでくれよ」
煮え切らないような返事をする上司。まあ、コロナ感染者かも知れない人間が職場に来られても困るってことだろう。
まあ、しょうがない。検査結果が来るまでの辛抱だ。病院からは外出をしないでくれということだったので、ネットで水やら食べ物を注文した。
最近やってなかったゲーム機を取り出して、じっくりやってみることにした。
その後、会社と連絡を取ったり、智子にラインしたりとダラダラと過ごしている。
保健所から連絡が来たのは、病院に行ってから10日後だった。
結果は陽性
全てを失っていく
俺はすぐに会社に電話した。報告義務があるという正義感からだったと思う。上司は冷静だったが、「困ったことになった」と言った。
それから保健所からは、熱が出る前に何処に行ったか、濃厚接触者は誰かと質問攻めにあった。
症状が出る2日前から感染のリスクがあるということだった。症状の2日前だと普通に会社にも出社していた。会社にも確認の電話が入っていることだろう。全員検査を受けることになると思う。
俺は大事になったと狼狽していた。いろんな事が頭をよぎった。
それから、毎日の検温と体調を保健所からの電話で報告することになった。「体調は良いみたいですね。くれぐれも外出は控えて下さい」毎度同じことを繰り返された。
体調は悪くない。でも、自分は感染者になってしまっている。なんとも言えないもどかしさに苛まれた。
智子からはラインが来ていた。内容は職場でもコロナの影響で厳しい状況だとか、特有の愚痴みたいなものだった。次第に喧嘩が多くなっていった。
「会社で感染者は出たんですか?」
「いや、なんとか感染者はいなかった」
俺は一応毎日、会社に電話していた。感染者は会社では出ていない。なんで俺だけ。そんなことを思った。
「あの・・・俺はいつから出社していいんですか?」
「それは、陰性だとはっきりさせてからじゃないと難しいだろう」
難しい。上司ははぐらかすように言う。
「あの・・・。実は会社からはもう一度PCR検査を受けて、陰性の証明をもらって来てくれと言われているのですが」
「いまのところ、症状も出ていないので再検査は受けられません」
保健所の職員の人は事務的に言った。重傷者や医療従事者を優先したり、感染の抑止に重きを置いているのだろう。しかし、俺にはその証拠がないと職場に復帰出来ないのに。
家での自粛が10日目に入ったとき、急に智子からラインが入った。
『別れて欲しい』
俺はすぐに電話を掛けた。出ない。
『なんで?』
『一番つらい時に一緒にいてくれない人とは別れたい』
何を言っているかわからない。こっちの方がつらいのに。
『お前、何言ってんだ。俺の方がつらいのに』
『健一がつらいのはわかるよ。コロナウイルスにかかって。でも、私もつらいの。いつまでも支えてあげられない。支えてくれる人がいいの』
『お前のとこの会社の上司ってやつか』
以前、同じ会社で働く5つ上の上司に世話になっているとか言っていたのを思い出した。ふつふつと怒りのような物が沸き上がって来た。
もう一度、電話をする。出ない。
『そいつと浮気してるんだろ』
『彼は関係ない』
『どうだか』
『もういい』
これ以降、智子からのラインはこなくなった。
保健所の人は陽性の報告があってから、2週間を過ぎようとしたときに言った。
「症状が出ていないのでもう大丈夫です。外に出られてもいいですよ」
「会社に行っても良いってことですか?」
「大丈夫だと思います。引き続き、濃厚接触は控えて下さいね」
「あの・・・。実は会社からはもう一度PCR検査を受けて、陰性の証明をもらって来てくれと言われているのですが」
「症状も出ていないので再検査は受けられません」
またしてもそう言われた。俺は上司に電話を掛けた。
「保健所からは仕事に出てもいいと言われているのですが」
「難しいだろうな。社内もコロナ感染者が出たってことで風評被害があってな。ゴタゴタしてるんだ。当の本人であるお前が、ちゃんと陰性の証明書を持ってこないと難しいだろ」
「そうですか、すみません。プロジェクトの方も遅れてしまって」
「ああ、それは大丈夫だ。木下が担当になってしっかりやってる」
「木下・・・ですか」
「ああ、だからお前はゆっくり休んでくれ」
木下は俺の1年後輩だ。まだまだ任せられるはずが無い。
「あれは俺が任された仕事じゃないですか」
「先方からお前を外してくれと言われているんだ」
なんでですか。と聞こうとしたが止めた。
俺はもう一度、保健所に電話した。しかし、取り合ってはくれなかった。
次の日、会社に電話をしたが上司も忙しいらしく、電話に出てくれなかった。それ以降、上司と話をしたことは無い・
それから三日たち、会社から『解雇通知書』の書類が送られて来た。
誰にも知られることの無い真実、彼は『擬陽性』だったのです。
※この話はフィクションであり、物語、登場人物、団体名等は全て架空のものです。まゆつば程度の読み物としてお取りください。
2.99.9%PCR検査の限界
特異度を99%とすると偽陽性が1%「も」出てしまうことになるのです。
— Suede (@suede123456) May 9, 2020
特異度を「仮に」99%とするという岩田氏の主張は、PCR検査は精度が低く使い物にならない、という主張を補強するものになっているのです。
なのでコロラド先生は強く否定されているのだと思います。
早い段階では、60~70%くらいしかPCR検査が陽性にでない可能性が報告されています。新型コロナウイルス感染予防対策についてのQ&A | 新型コロナウイルス関連情報特設サイト
一般財団法人日本疫学会のHPでは、中国・温州医科大学附属病院のファンらの研究を取り上げ、コロナウイルスに感染していると判断出来る患者51人にPCR検査を行ったところ36人(71%)の陽性反応が出た。後日、全員が陽性となったという研究結果を上げています。
初期段階では、ウイルスの数が少なく、PCR検査の精度は約70%程度ということになります。
これは、特に偽陰性(ウイルスに感染しているのに間違って陰性と判断してしまう)を注意している問題ですが、逆に擬陽性(ウイルスに感染していないのに陽性と判断されしまう)ということも現実には起こっているのです。
例として、東京都民1395万人にPCR検査をしたとします。
感染率1%(抗体検査の例では6%とも言われているが完治者も考えてあえて低く)
感度70%(陽性の人が陰性と判断されてしまう確率)
特異度99.9%(陰性の人が陽性と判断されてしまう確率)
これで考えると
陽性者 111,460人
陰性者 13,838,540人
偽陰性 41,850人(陽性なのに陰性と判断)
偽陽性 13,810人(陰性なのに陽性と判断)
偽陽性の確率は0.098%
おおよそ1,000人に1人が偽陽性になってしまうのです。
3.失業に備える対策3選
異議を申し立てる
コロナウイルスに感染したからと言って、解雇されるのは不当解雇です。当然異議を申し立てることが出来ます。解雇理由をきちんと証明してもらうために「解雇理由書」の交付請求を行い、解雇に妥当性があるか調べます。
内容に不服がある場合は会社に解雇を取り下げさせる事が出来ます。
弁護士に入ってもらうのが得策と言えます。
解雇を受け入れる
まず、使用者(企業)は働いている労働者(従業員)をなんらかの理由で解雇する場合には、少なくとも30日以上前から、その労働者に対して解雇する旨を伝える必要があります。これが行われなかった場合は、30日以上の平均賃金を支払う義務が会社にはあります。これは退職金等とは別のお金です。
次に失業保険を受給出来ます。突然の解雇は注意して、会社都合になっているかチェックして下さい。もし、自主退職になっている場合、受給できる日数が大きく減少し、その分貰える金額も減少します。
副業を進めておく
いつ解雇になっても良いように・・・とは言えませんが、会社に依存せずに所得を得る方法を考えて置くことは大切なことです。副業が禁止の会社でも年間20万円以下の副業収入は申告の義務はありません。大きな金額では無くても少しづつ初めてみてはいかがでしょうか?
4.まとめ:回復者への社会の目の在り方を変えていく
PCR検査を2万まで増やすと、連日ニュースで取り上げられています。新型コロナウイルスの感染拡大の抑止に、PCR検査の重要性は大切だと思います。
しかし、このことで、少なからず間違った結果が産まれる可能性は否定できないのです。今の日本の自粛警察が横行する社会では、コロナ感染者は何もしていなくても『悪』とされ、『正義』によってさばかれてしまうのです。
私は仕事上、人会う機会があります。
こうなったときに自分がどんな目に合うのかが怖いと思うのです。
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